第3章

第3章21ページ「Beurteilung」

「……やる気なくしちゃったようだけど……ここで終わりにするのもなぁ……どうしよ?悪役としてはかるーく性的暴行とかしてみる?」

 

【え、それ面白そう!あ……でもさ……なんかそろそろモニタリングが変わりそうなんだよ】

 

「えーそれじゃ意味ないなぁ。じゃあ、こうしとこうか」

 

ボクが新たなルーンを唱えると、彼女がガクンと床に突っ伏した。

四つん這いのような姿勢となり、もがく。

 

「きゃっ……ん……な、何これぇっ!?」

 

「その周辺の重力を操作したんだよ。意外と動けなくなるでしょ?またモニタリングが回ってくるまで、そーしていてほしいのと……まぁ、あとはお仕置き?

形だけでも土下座してもらおうかなーって」

 

【わははっ!おもしれーっ!!お前本当に面白いなっ!!】

 

「ありがと。くふっ♪」

 

さて――じゃあ、しばらくもがいてる彼女を見ながら――お茶でもしていようか――。

 

【――モニタリングを終了します】

 

 

 

【――モニタリングを開始します。ヤガミアラタ】

 

――く――なるほど、ここで来るか――でも、逆に利用できるなら――アリか――

 

「盲羅さん、お話の途中なんだけどね。さっきの追加補足だ。私はそこの阿籐君の他にも……今あんたの事務所に残ってる白木こたつさんとも通信が可能なんだよ」

 

「……まぁ、そうじゃろうのう。そんな気ぃしとったわ。で?それが?」

 

【――わ!もう盲羅と交渉中だったんだ!】

 

そういう事。

10番ターミナルの広場と呼ばれる場所に私達は立っていた。

 

何やら駅のホームにも似ている場所だが、線路は当然無いし列車も来ない。

広場のあちこちにあるエレベーターのような場所、あそこで移動するんだろう。

 

開けた場所な分、隠れる場所は少ない。マリにどこに隠れてもらうか悩んだが……そばの大きな柱の陰にした。

 

どちらにせよ、この交渉がスムーズに進むなら危険は少ないはずだ。

 

そして――プラスアルファ解決するべき問題も発生した事だしなぁ。

 

「実はね……私も驚いたんだが……そちらの事務所がたった今突然襲撃されたらしい。何者なのかは不明なんだが、そっちの……構成員?の人達は全員やられてしまったようだ。で、今例の女の子が交戦中。知ってたかい?」

 

実際、ほとんどは白木さんがやってしまった事のようだが、この際こう言っておいたほうが良いだろう。

 

オールバックの盲羅はアゴに手をやり用心深い目つきでこちらを見た。

 

「ほう、そりゃあ大変じゃあ。……ホンマかのぅ?」

 

「事務所に残ってる誰かに電話してみたらいいじゃないか。こっちには嘘をつくメリットが無い。なんせ、白木さんがそれをやったんなら黙って逃げればすむ話なわけで……わざわざ言うはずがないだろう?」

 

……と、言ってる間にもう彼はスマホから発信していたようだった。判断の速い奴だ。

 

さらに何人かに事務所へ戻って確認するように伝えたようだった。

 

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