どう答えるべきか。だが――俺が答えるよりも先に、脳内に声が響き渡った。
まるで、割れたガラスのように。
【――ダメ!!!】
「うっ!?」
「きゃ!」
「わっ!ビックリした!」
【ダメ!ダメ!ダメ!ダメ!!ダメっ!!!】
「……エコー……?落ち着け。な、何が……」
そう、エコーだ。今回も全く喋らなかったのに……なぜ、突然……。
「わー頭がキンキンするー……。なるほど、こういう攻撃方法があったかー。さすがのボクも油断したよ。やるね」
転生鳴浪が頭を振りながら苦笑する。
違う、と……なぜか俺は思った。
エコーの声からは……何か切実な……聞き逃してはいけない想いを……感じる……気がする。
想い……?
俺は一体何を……。しかし、それでも俺は訊いた。
「エコー……教えてくれ。何を……伝えたいんだ」
ためらう気配。やがて……けして短くない時間を経て……そのか細い言葉は……こちらに届いた。
【……助けて……】
「…………!!」
その言葉を聞いた瞬間――身体の奥底で――何かのスイッチが、カチリ、と入った感覚があった。
とてつもない何かが、熱を持って……ベルトから全身に流れ込んでいく。
「ぅ……うぉおおおおおおっ!!」
俺は吠え――そして、同時に全身を押さえつけていた不可視の力を跳ねのけた。
「――っと……へぇ……ボクの魔術を破るんだ……?ようやく封印とかいうのを解いて本気になってくれたのかな?」
――いや――封印は解けていない。だが……理由は分からないが……一時的に弱まってはいるようだった。
転生鳴浪が嬉しそうに構え――そして、右手にまとっていた青白い炎をこちらに投げつける。
一瞬の間に巨大化し迫る火球。
モーリの前に飛び出しながら――俺は叫んだ。
「ライダ――パンチ!!!」
その拳はその火球を砕き、さらにこちらに押し寄せる熱風の全てを相手へと押し返した。