第4章

第4章23ページ「fest daran glauben」

きっと馬鹿げてる。大体……さっき勘違いに気づいたばかりだろ?

こんな……俺なんかに……でも……

 

『あたしが信じると決めたら信じる。

それだけでいいんだ、あたし』

 

――こたつの声が脳裏に響き、俺は頭を振った。

 

俺は……俺を信じる事はできない。無理だ。

でも……こたつを……信じる事は……できるかもしれない。

いや……俺は……たぶん、応えたいんだ。信じてくれた人に。

 

興奮を抑えられず……浅い呼吸をしながらアラタへ顔を向けた。「何とかーーできるのかもしれない」

 

「何とか……?ヨッシーがあいつら全部を倒すっていうのか?」

「俺には……無理、だけど……アイツなら……できるのかもしれない。いや、きっとできる……できるんだ……」

 

そして俺はーー熱にうかされたように、その名を口にした。

 

「ーーアトレーユ、なら」

「……アトレーユ?」

「あぁ……だから、1つアラタにお願いがあるんだ。

でも……そのプランを実行するにしても、問題が1つあって……」

「ん……とにかく聞こう。どんな問題かな?」

「この後すぐにーーアラタに、モニタリングが回らないといけないんだ」

 

俺の言葉にアラタは帽子を取り、髪をぐしゃぐしゃかきまわしていたが……やがて口を開いた。

 

「来るかもな。いや……必ず来るだろう」

「必ず?」

「あぁ、だってそれがどうしても必要なんだろう?で、それが来たら状況を変えられるかもしれない……んだろ?」

「あぁ」

 

だったら来るよ、とアラタは言い、ニヤッと笑った。

 

「探偵アラタが断言しよう。今すぐーー私にーーモニタリングは回ってくる。

絶対だ」

 

【ーーモニタリングを終了します】

 

【――モニタリングを開始します。ヤガミアラタ】

 

はたして電子音はそう告げた。

 

【え……本当だ……でも、なんで……】

 

レコードの声も聞こえたが、今はそれどころじゃない。

私は目を丸くしているヨッシーに作戦を話すよう促す。

が……それを聞いた後、今度は私が目を丸くする番だった。

 

「いや……そんな事……本当にできるのか?」

 

興奮状態に見えるヨッシーは「できる」と震えながら言った。

<<毎日秘密の手がかりをアップしています>>

このストの公式Twitterはこちら

<<動くキャラクターを見られます>>

このストの公式YouTubeはこちら

-第4章

© 2024 この物語をどうしますか?